粉飾事件で逮捕「旧すてきナイス」元経営者がやり直し裁判で逆転無罪の真相――「会計基準」を無視して暴走した地検の"誤算"と6年半の苦闘

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横浜地方裁判所(写真:コン太くん/PIXTA)

上場企業が株式を発行することは、お札を刷ることに近い。株式市場でつく株価で資金を得ることができるためだ。

それだけに、決算をよく見せる「粉飾」は投資家をだます行為として、金融商品取引法では10年以下の拘禁刑などの厳しい罰則が設けられている。この粉飾事件をめぐって12月、横浜地裁で画期的な裁判の判決があった。

それは、企業会計基準に照らして“粉飾といえるのか”だけを争点に審理がなされ、70代の2人の経営者に「無罪」が言い渡されるというものだった。5日の控訴期限までに検察が控訴しなかったため、2人の無罪が確定した。

常識が通じない世界

決算書は会計基準に基づいて作られるのだから、会計基準で判断するのが当たり前ではないかとの疑問を持った読者は常識人だ。ところが、粉飾事件が審理される裁判所では、その常識が通じないことが珍しくない。

今回の裁判は、横浜市に本社がある「すてきナイスグループ」(現・ナイス)という住宅関連会社の元会長と元社長が、2015年3月期の有価証券報告書(有報)で決算を粉飾したとして、2019年に横浜地検特別刑事部に逮捕されたことに端を発する。

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