粉飾事件で逮捕「旧すてきナイス」元経営者がやり直し裁判で逆転無罪の真相――「会計基準」を無視して暴走した地検の"誤算"と6年半の苦闘
元会長の平田恒一郎さん(77)は粉飾について否認を続け、86日間勾留された。無罪判決後の記者会見では「一度も事情聴取がなく、事情聴取に呼び出された日に逮捕された。ターゲットを私に絞って調書を集めていたものと思われる」と主張。
さらに「慢性骨髄性白血病のほかに糖尿病、心臓病、腎臓病などを患っていた。勾留中に悪化し、むくみで肺の3分の1に水がたまった。死を覚悟させられた」と、強引な捜査だったことを明かした。
元社長の日暮清さん(74)も記者会見で、逮捕前に約40回にわたって横浜地検に任意の事情聴取を受けたことを明かした。
それは「1日おきに午前中や2時間程度から始まって、最後は連日フルタイムになった」というもので、「地検の事務所から自分の家まで、どうやって帰ったかわからないぐらいのプレッシャーを受けた。任意(捜査)のときにこそ、録音録画による可視化が有効だ」と語った。
二審で一審を破棄・差し戻す
裁判は、一審の横浜地裁が2021年に有罪判決を出すものの、二審の東京高裁が2022年に一審を破棄・差し戻し。横浜地裁の差し戻し審で無罪が言い渡される展開となった。2人の逮捕から6年半以上が過ぎていた。
一審で、弁護側は決算書の粉飾かどうかを“会計基準に照らして立証”するよう検察側に求めた。
ところが、検察側はこれを受け入れず、平田さんが実質的に支配する会社に30億円を超えるマンションや土地を売った取引は、決算対策のための実体がないもので、売上高や利益を計上することは、決算書に虚偽を記載したことになるなどと主張した。
横浜地裁はこの検察側の主張を認め、2021年に有罪判決を出した。
ところが、二審の東京高裁はこの取引には実体があると認定して、一審判決を破棄。不動産は実在しており、売買契約も有効。ほとんどの物件がその後、エンドユーザーに売却されて代金も回収されていると認定した。



















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