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弁護士として当時女性最年少で大津市長に、その後女性の社外取締役候補を育成・紹介する会社を起業、「自分にしかできないことをやる」

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OnBoard 代表 越直美弁護士
越 直美(こし・なおみ)/OnBoard 代表。1975年生まれ。2001年北海道大学大学院修了後、02年弁護士登録。西村あさひ法律事務所入所。09年ハーバード大学ロースクール修了。12年、大津市長に当時女性最年少で当選、2期8年務める。21年に女性役員の登用を推進するOnBoard株式会社を設立。ソフトバンクの社外取締役、三菱総合研究所の社外監査役。弁護士・ニューヨーク州弁護士・カリフォルニア州弁護士(撮影:梅谷秀司)

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決定版「ベスト弁護士2025」。本特集では変革を担う弁護士のトップランナーたちに迫った。
弁護士でありながら、市長選出馬、そして起業。ガバナンス分野で新たな試みを進める越直美さんの「軸」とは何か。

――2021年、女性の社外取締役候補を育成し、企業に紹介するOnBoard(オンボード)を起業しました。

12年から滋賀県の大津市で2期8年、市長を務めた。保育園を増設し、待機児童を減らすことで女性がより長く働ける環境を整備した。だが企業内での男女の立場にはまだ格差が残っている。厚生労働省の調査では、男女には30%程度の賃金格差があるという。市長として社会基盤の整備をしたが、次は企業内から変革を起こしたいと思った。

弁護士として企業のガバナンスに携わってきた経験を活かせるので、女性役員に着目したビジネスモデルを選んだ。23年、キヤノンの株主総会で、役員に女性がいなかったことに起因して御手洗冨士夫会長があわや解任される事態になり、その頃から当社への依頼も増えた。昨年からは、女性社内取締役のネットワークづくりや、企業に対する女性管理職の研修なども
行っている。

――留学や市長選出馬、起業など、ユニークな経歴です。

今までの経験を通して、自分にしかできないことをやるべきだと学んだ。市長選のときは、経験がないからだめだと言われることもあったが、若く経験がないからこそ、市民目線でできることがあると感じて出馬を決めた。

OnBoardの活動も同じ。ニッチだが、弁護士のバックグラウンドをもつ自分にしかできない。どんな人にも、自分にしかできないことがあるはず。得意なこと、やりたいことは人によって違うので、本当に自分がやりたいことを探すのが大事だと思う。

女性役員は企業価値を向上させる

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