女性役員の存在は、今や企業のガバナンスの健全性を測る1つの尺度だ。

プライム上場企業で女性役員が不在の企業は1割に減った(撮影:左上は今井康一、その他は編集部)
労働力不足の中、「女性活躍」が叫ばれて久しい。多くの企業が施策を打つが、効果を出す先進企業と変われぬ後進企業との差は開く一方だ。
『週刊東洋経済』5月18日号の第1特集は「女性を伸ばす会社、潰す会社」。真に女性を活かすための処方箋とは。
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「キヤノン・ショック」から1年──。
3月28日に開催された株主総会。キヤノンは元消費者庁長官の女性、伊藤明子氏を社外取締役として選任した。同時に新任の社内取締役を3名選任した。
それまでキヤノンには女性取締役が一人もいなかった。同社はその状況に対し、「属性に基づかない『実力主義』で人材登用を行っている」と、結果としての「女性不在」を強調していた。
だが、昨年3月に開催された株主総会で、御手洗冨士夫CEOの取締役再任への賛成率が50.59%となった。再任には、株主総会で過半数の賛成を得る必要がある。あと1%賛成率が低ければ否決されていた。同社はTOPIX100(東証上場の中でも時価総額の大きな100社からなる株価指数)の構成銘柄で、女性役員がいなかった。当時87歳の御手洗氏の後継者問題も影響していたとされる。
女性社外取の選任で賛成率が回復
「あわや退任」の事態を受けて今回なされた女性役員の登用。御手洗氏への賛成率は、90%台まで回復した。
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