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カルビーが"女性の積極登用"で直面した踊り場 江原信社長 「トップの意識だけでは空回り」

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先進企業のトップに直撃した。

カルビー代表取締役社 長江原信氏
食品業界の女性登用をリードしていくと語るカルビーの江原信社長。江原 信(えはら・まこと)/カルビー代表取締役社長。1958年生まれ。81年慶応大学卒業、伊藤忠商事入社。2001年ジョンソン・エンド・ジョンソン入社。11年カルビー入社。子会社のジャパンフリトレー社長、カルビー副社長などを経て、23年4月から現職(撮影:今井康一)

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労働力不足の中、「女性活躍」が叫ばれて久しい。多くの企業が施策を打つが、効果を出す先進企業と変われぬ後進企業との差は開く一方だ。
『週刊東洋経済』5月18日号の第1特集は「女性を伸ばす会社、潰す会社」。真に女性を活かすための処方箋とは。
週刊東洋経済 2024年5/18号(女性を伸ばす会社、潰す会社)[雑誌]
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女性管理職割合は25%と、食品業界の上場企業の中では最も高いカルビー。だが2011年の上場を機に本格化した女性活躍の取り組みには、紆余(うよ)曲折があった。江原信社長に聞いた。

 

──食品業界でいち早く女性活躍の取り組みを本格化しました。

上場前の2010年ごろのカルビーは男性社会だった。正社員の女性比率は今と変わらず4割程度あったにもかかわらず、女性管理職比率は5.9%(10年4月)だった。

しかし、当社のような男性も女性も顧客である消費者向けの商品ビジネスで、時代の流れを敏感に捉えて対応していくうえでは、女性の意見がもっと前面に出てこなければならない。当社にとって、女性活躍は社会貢献だけではない。男性ばかりだとどうしても考え方が一方向的になる。

09年に会長に就任した松本晃・前会長は、前職のジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長のときに、女性が活躍するのが世界の当たり前であることを学んだ。

「女性の活躍なくして企業の成長はなし」と、女性管理職割合を正社員比率並みの40%にすることを目標に、女性登用の大号令をかけた。去年よりも今年、今年よりも来年が上回るように、各部門に数字を追いかけさせた結果、女性管理職比率は右肩上がりで上昇。18年4月には26.4%になった。

女性の準備不足で疲弊

──そこからいったん減少。その後、再上昇します。

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