ブラックロック・ジャパンの江良明嗣氏、インベスコ・アセット・マネジメントの古布薫氏に聞いた。
基準引き上げは慎重に議論
ブラックロック・ジャパン インベストメント・スチュワードシップ部長 江良明嗣
議決権行使の基準として、TOPIX(東証株価指数)100の企業には女性の取締役・監査役2名以上、Mid400については1名以上の選任を求めている。プライム市場に上場する企業全体に1名以上を求める、という基準設定もありえたが、あえてやめた。実効性を重視したからだ。
役員候補者の分析をしたところ、男性より女性のほうが役員の兼任社数が多かった。企業が適任の女性を選任しようとするので、一部の方に依頼が殺到し、今予約しても就任は2年先、といった争奪戦が起きている。名古屋や大阪、九州などの企業は東京以上に大変で、各地の士業を中心に選任している。
いかに優秀な女性でも、取締役を務める企業の経営を理解し、取締役会に出席するために十分な時間を割けなければ、投資家として厳しく見ざるをえない。すでにTOPIX100で女性役員不在の企業がなくなったこともあり、現行基準が現実的な線だった。
TOPIX100の企業に対しても、「女性が1人だから反対」と機械的に議決権を行使しているわけではない。皆さんが想像する以上に、緻密に議論している。
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