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機関投資家が懸念する「女性社外取」枯渇問題 ブラックロック&インベスコ幹部インタビュー

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ブラックロック・ジャパンの江良明嗣氏、インベスコ・アセット・マネジメントの古布薫氏に聞いた。

ブラックロック・ジャパン インベストメント・スチュワードシップ部長 江良明嗣氏
江良明嗣(えら・あきつぐ)/ブラックロック・ジャパン インベストメント・スチュワードシップ部長。2002年、国際基督教大学卒業。06年に慶応大学大学院修士課程修了。06年に日興アセットマネジメント、11年に当社に入社。経団連、経済産業省などのコーポレートガバナンスに関するさまざまな活動に参加(撮影:尾形文繁)

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労働力不足の中、「女性活躍」が叫ばれて久しい。多くの企業が施策を打つが、効果を出す先進企業と変われぬ後進企業との差は開く一方だ。
『週刊東洋経済』5月18日号の第1特集は「女性を伸ばす会社、潰す会社」。真に女性を活かすための処方箋とは。

基準引き上げは慎重に議論

ブラックロック・ジャパン インベストメント・スチュワードシップ部長 江良明嗣

議決権行使の基準として、TOPIX(東証株価指数)100の企業には女性の取締役・監査役2名以上、Mid400については1名以上の選任を求めている。プライム市場に上場する企業全体に1名以上を求める、という基準設定もありえたが、あえてやめた。実効性を重視したからだ。

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役員候補者の分析をしたところ、男性より女性のほうが役員の兼任社数が多かった。企業が適任の女性を選任しようとするので、一部の方に依頼が殺到し、今予約しても就任は2年先、といった争奪戦が起きている。名古屋や大阪、九州などの企業は東京以上に大変で、各地の士業を中心に選任している。

いかに優秀な女性でも、取締役を務める企業の経営を理解し、取締役会に出席するために十分な時間を割けなければ、投資家として厳しく見ざるをえない。すでにTOPIX100で女性役員不在の企業がなくなったこともあり、現行基準が現実的な線だった。

TOPIX100の企業に対しても、「女性が1人だから反対」と機械的に議決権を行使しているわけではない。皆さんが想像する以上に、緻密に議論している。

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