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弁護士は見た!「働く女性を潰した」企業事件簿 広島生協の育休中降格、外資系の"仕事外し"…

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「マタハラ」「配置転換」「セクハラ」…働く女性の処遇をめぐるトラブル事例を、弁護士が解説した。

マタハラ被害を受けた女性と、会社の上司と弁護士のイラスト
(イラスト 髙栁浩太郎)

特集「女性を伸ばす会社、潰す会社」の他の記事を読む

労働力不足の中、「女性活躍」が叫ばれて久しい。多くの企業が施策を打つが、効果を出す先進企業と変われぬ後進企業との差は開く一方だ。
『週刊東洋経済』5月18日号の第1特集は「女性を伸ばす会社、潰す会社」。真に女性を活かすための処方箋とは。

弁護士として、ハラスメントの被害を受けた働く女性からの相談に数多く関わってきた。ここでは、そんな事例のいくつかを紹介したい。

とくに目立つのは、男女雇用機会均等法(均等法)9条3項の「妊娠等を理由とする不利益な取り扱い禁止」に関する紛争、いわゆるマタハラである。

事件1[外資系大企業]「仕事外し」で裁判に

1つ目は2020年ごろ。外資系大企業で営業補助をしている女性からの相談だった。

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彼女は第1子、第2子を連続して産んで3年ほど育児休業をした後、職場復帰をしようとしたところ、会社は彼女にポストを与えなかった。3年も休めば業界環境も変化し、知識も不足しているので、戻ってもポジションがない、というのが会社の言い分だった。

「あなた自身で会社のいずれかのポジションにエントリーしてください。採用されたらポストを与えます」。会社は彼女に伝えた。

これは育児休業を理由としたハラスメントにほかならない。会社都合による一方的な仕事外しはNGで、育休後は原職に復帰させるのが原則だ。

私たちは、均等法9条3項に基づいて、元の条件で復職させるよう会社側に裁判を起こした。

相手は大企業なだけに、労働法に詳しい弁護士がついていた。会社側の弁護士は、自分たちが不利であることを、直ちに悟ったようだ。「すぐに和解話をさせてください」。そして、こう付け加えた。

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