ジャフコ「セクハラ問題」に政投銀は曖昧な姿勢 政府系金融機関が問われる「ビジネスと人権」意識
老舗ベンチャーキャピタルのジャフコ グループ社内で起きたセクハラ事件。2019年、契約社員だった女性が幹部社員など男性2人からマフラーで首を絞められ体を触られるなどの性被害に遭った。この事件をめぐってはジャフコと取引関係にある企業の姿勢も問われている。
被害女性の代理人である指宿昭一弁護士らが、ジャフコ運営のファンドに出資する企業7社に対して、「ジャフコがセクハラ問題に適切に対応するよう働きかけてほしい」という内容の申し入れを行った。申し入れは「ビジネスと人権」の考えに基づくものだ。
その7社とはアズビル、インテック、中国電力、中電工、日本政策投資銀行(DBJ)、北海道電力、森六ホールディングス。各社はジャフコが2022年に立ち上げたファンドに出資している。
申し入れた7社のうち4社は対応
ジャフコは男性2人が女性に行った行為をセクハラと認定、2人を懲戒処分とした。だが、全社員が集まる場で加害男性に謝罪させたことで、被害を受けたのは女性であることが社内に知れ渡った。さらにその後、女性は退職か報酬減額を受け入れるかを迫られ、最終的に雇い止めになった。
指宿弁護士は、それらが「セカンドセクハラ」(セクハラを申告したことで受ける二次被害)であると指摘。女性に補償するようジャフコに求めている。一方、ジャフコ側はセクハラ事件との因果関係はないとして双方の主張は平行線をたどっている。
指宿弁護士らが7社に行った申し入れは、女性の救済措置を図ることや再発防止のための環境整備を出資者の立場からジャフコに要請するよう求める内容だった。7社のうち4社からは、ジャフコに適切な対応をとるよう要請したとの回答があった。
一方、北海道電力や森六ホールディングス、DBJからは回答を差し控える旨の回答があった。この中でも際立つのがDBJの姿勢だ。
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