変貌する共働きの姿。「女性活躍」は会社の未来をつくる一里塚だ。
労働力不足の中、「女性活躍」が叫ばれて久しい。多くの企業が施策を打つが、効果を出す先進企業と変われぬ後進企業との差は開く一方だ。
『週刊東洋経済』5月18日号の第1特集は「女性を伸ばす会社、潰す会社」。真に女性を活かすための処方箋とは。
会社員の高橋和也さん(仮名、40代前半・男性)は、育児との両立ができないことを理由に転職をした経験がある。
共働きの妻に第1子を託し、海外に単身赴任していた高橋さん。赴任中、妻が育児のストレスで体調を崩したこともあり、帰国後は自宅から通える範囲の勤務先を希望していた。が、会社が下した決定は地方勤務。ちょうどその頃、第2子の妊娠が判明した。
「子ども1人でも大変なのに、2人を妻が見ることは難しい」。そう考え、育休後は在宅勤務か、転居をせずに片道2時間かけて通勤したいと上司に相談した。
だが、育休取得を除いて要望は会社に却下された。「奥さんが仕事を辞めて転勤に同行できないのか」「ご両親の助けやベビーシッターの利用はできないか」と、上司からは提案された。だが夫婦ともに実家は遠く、シッターも毎日のように使えば出費は膨大になる。
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