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福井県初の女性副知事が"最も困っていること" 東京都出身、元総務省官僚の鷲頭美央氏に聞く

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共働き率が全国1位の福井県が直面する課題とは?

福井県副知事 鷲頭美央氏
鷲頭美央(わしず・みお)/福井県副知事。東京都出身。2003年総務省入省。さいたま市財政局長、福井県総務部長などを経て23年8月から現職(写真:福井県)

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地方創生が叫ばれて10年。実現できたという自治体はそう多くない。では、政府が流し込んだ膨大な「地方創生マネー」はどこへ溶けていったのか。『週刊東洋経済』5月11日号の第1特集は「喰われる自治体」だ。
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共働き率が全国1位、合計特殊出生率がつねに上位の福井県は、地方創生の模範的な存在だ。しかし、女性の家事育児負担の重さや、女性の管理職比率の低さが課題となっている。2023年8月に福井県初の女性副知事となった鷲頭美央氏に話を聞いた。

――福井県は15~64歳の女性の有業率が全国1位ですが、女性の管理職比率は34位と低いです。その要因は何でしょうか。

福井県は繊維産業で働く女性が多かったことから、女性の就業率は昭和の時代から高かった。結婚・出産期に就業率が低下するいわゆる雇用のM字カーブの解消も早く、先進地域と言われている。

しかし、女性の管理職比率が低いのは、製造業が多い産業構造の中で女性を管理職候補として育成してこなかったから。もう一つの原因は女性の意欲の影響だ。県の調査では約7割の女性が「管理職になりたいと思わない」と答えた。最も多い理由は、家事育児介護の負担が男性に比べて大きく、仕事との両立が高いハードルになっていること。次に多いのが、女性が評価されにくい風土だ。

風土を変えるには女性の登用が必要だが、登用するには家事育児の負担が女性に偏る環境を解決しなければならない。

地域のつながりが福井の財産

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