この10年間をどう評価するか。
地方創生が叫ばれて10年。実現できたという自治体はそう多くない。では、政府が流し込んだ膨大な「地方創生マネー」はどこへ溶けていったのか。『週刊東洋経済』5月11日号の第1特集は「喰われる自治体」だ。
10年目を迎えた地方創生。初代担当相を務めた石破茂・元自民党幹事長は今何を思うのか。
──10年をどう評価しますか。
スタート時の熱気が消えた。当時は内閣府に各省から本当にいい人材が集められ、やる気と一体感に満ちていた。
地方創生はこれまでの地域活性化策の焼き直しではないかという声もあったが、まったく違うと。歴代政権の日本列島改造論やふるさと創生は人口が増え経済が成長していた時期の政策だ。だが局面が変わり、地方創生が失敗すれば国も危ういという危機感があった。
日本は明治維新以降、東京に一極集中させることで発展し戦争に勝ち、戦後の経済成長も成し遂げた。だが限界に来た。人為的につくられた一極集中を壊し、国の骨格を変えなければならない。
10年続けていたらまったく違っていた
──単純に地域のにぎわいを取り戻すという政策ではないと。
そうだ。公共事業と企業誘致で雇用を維持するような地方のあり方はもう成り立たない。自分たちのまちはどうしたらよくなるのか、東京ではなく、そのまちで考えてねと。
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