コンサルに頼らず、行政と民間の連携を築き上げた。

古びた市営住宅が開放的な低層住宅に生まれ変わった(写真:筆者撮影)
地方創生が叫ばれて10年。実現できたという自治体はそう多くない。では、政府が流し込んだ膨大な「地方創生マネー」はどこへ溶けていったのか。『週刊東洋経済』5月11日号の第1特集は「喰われる自治体」だ。
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大阪府の中心街から電車で40分程度の位置にある大東市北条。JR四条畷(しじょうなわて)駅を降り、東の空にそびえる飯盛山の方角に3分程度歩くと、木造低層住宅と芝生の広場が見えてくる。
敷地内には北欧をテーマにしたレストランやパン屋なども立ち並ぶ。木材の質感を生かしたデザインから、心地よい雰囲気が醸し出されている。
公営住宅、公園、商業施設が融合したmorineki(もりねき)地区。2021年3月に開設された同地区は、公営住宅の建て替えを公民連携で進めた国内初の複合施設として注目を集めている。
行政が主導する地方創生事業では、基礎計画の立案から施設完成後の運営までの全工程を委託業者に丸投げする事例もある。せっかく税金を投入したのに事業費の大半が外部の企業へ支出され、地元に利益が還元されない例もある。
コンサルに丸投げしない
大東市の場合は、その正反対。
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