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「貪欲な仕事」国家公務員の働き方は変わるのか 人事院・川本裕子総裁に聞く(前編)

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2023年11月30日、人事院総裁の川本裕子氏に話を聞いた(撮影:梅谷秀司)

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12月10日、今年のノーベル経済学賞が米ハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授(77)に授与された。その受賞を機に、日本でも「男女賃金格差」や「労働市場におけるジェンダー格差」に改めて注目が集まっている。
日本で長時間労働、柔軟性に欠ける働き方の代表格と見られてきた職業の1つに国家公務員がある。「働き方改革」が進められる中で、現在の国家公務員の働き方はどうなっているのか。そして今後どうなるのか。人事院総裁の川本裕子氏に聞いた。
(後編:「国家公務員『男性育休取得率72%』で起こる変化」はこちら

オーディション論文に感銘を受けた

――クラウディア・ゴールディン氏のノーベル経済学賞受賞についてどのように受け止めましたか。

ゴールディンさんの有名な研究の1つ、「オーケストラのオーディションを応募者の姿が見えない状態で実施したところ、女性の採用が増えた」という論文に感銘を受け、以前からダイバーシティーの話をする際に例として触れてきました。この分野が注目されるのはとてもうれしいことです。

彼女は客観的なデータを使って、女性の労働に関する変化とその背後にある経済的なロジックを明らかにしてきました。各国・地域に特有の制度やシステムを詳しく調べ、歴史的経緯に即した分析を行っていくこと、長期間のデータを集め分析することは、あらゆる問題解決において、示唆深いと思います。

――ゴールディン氏の研究からは、日本が直面する働き方の課題に対するヒントを得られそうです。それに関連して、国家公務員の働き方について伺っていきたいと思います。国家公務員には長時間拘束のハードワークというイメージがありました。働き方改革が進む中で変化はありますか。

私が人事院総裁に就任したのは2021年6月のことです。それからおよそ2年半になりますが、この期間だけを見ても、霞が関はかなり変わってきていると思います。コロナ禍を契機にリモートワークの導入が進んできていますし、男性職員も含めて育休に対する考え方と行動が変化している。

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