
世界屈指の規模を誇る自動車ショー、オート上海(上海モーターショー)が、2025年4月23日(一般公開は27日)から5月2日にかけて開催された。このショーを取材しての大きな発見は、自動車がものすごい勢いで“進化”していると感じられたことだ。
日本にいると、新しい技術を追い求める中国企業の姿は、時に“やりすぎ”と感じられるけれど、「ここには確実に自動車の未来があります」(日本メーカー関係者)という見方もある。
そうだとすると、日本メーカーも同じ土俵に立っていなければ、国際的な競争力を失うことにもなりかねない。
もちろん、中国市場を重視する日本メーカーはそこをよくわかっている。トヨタ(レクサス)、ニッサン、ホンダ、マツダは、“新エネルギー車”を発表して話題を呼んでいるのだ。

トヨタもホンダも「ファーウェイ」のOSを採用
トヨタは、BEV(バッテリー駆動EV)の「bZ7」量産版を公開し、注目を集めた。広州汽車集団有限公司(GAC)、広州汽車トヨタ自動車有限会社(GTMC)、トヨタ知能電動車研究開発センター有限会社による、共同開発車だ。
bZ7は、2024年11月の「広州国際モーターショー」でプロトタイプが公開された。「TOYOTA」ブランド(中国ではいつくも合弁があるので総称)で「bZ4X」「bZ3」「bZ3X」「bZ5」とすでにいくつものBEVを投入している中で、bZ7は全長5mを超える車体を持つ。
ホンダは「東風ホンダ」と「広汽ホンダ」、ふたつの合弁会社による「GT」を世界初公開した。

いうまでもなくBEVであり、もうひとつの話題は北京と蘇州に会社を置く、2016年創業の自動運転のスタートアップ「モメンタ」と、オープンソース生成AIで精密な会話型コマンド性能を売りにしている「ディープシーク」の技術を搭載していること。ディープシークは、2023年に杭州で設立された企業だ。
先のbZ7もモメンタ(そもそもトヨタは出資している)と、ファーウェイの「ハーモニーOS」コクピットを採用するといわれている。

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