ドイツメーカーは、広い車内や押し出しのきくデザインを求める中国市場のために、ホイールベースを延ばした「ロング」を用意することで知られている。
たとえばメルセデス・ベンツ「Cクラス」は、日本を含めて一般的な仕様のホイールベースは2865mmだが、中国市場のために用意された「L」では2954mmに延ばされているし、BMWでは「3シリーズ」や「5シリーズ」に加え、「2シリーズグランクーペ」にもロングがラインナップされる、といった具合。
今回のショーでは、メルセデス・ベンツが「CLAロングホイールベース」を発表して、来場者の関心をひいていた。

サイズにとどまらず、BEVの展開にも熱心に取り組んできたのがドイツのメーカー。2025年のオート上海でも、BMWは2025年秋の「ノイエクラッセ」(新世代のBEV)発表をひかえて、プロトタイプを持ち込んだ。
加えて中国市場向けに現地のパートナーと開発したOSを使う、「パノラミックiDrive」の大きなディスプレイも目をひく。


またBMWは、ディープシークやアリババとの協業をさかんにアピール。「チャイナ・フォー・チャイナの方針にしたがって、ドイツの外では最も規模の大きいR&Dセンターを中国に持ち開発を行っています」としている。
メルセデス・ベンツはミニバンのコンセプトを発表
展示ブースの面積の大きさと、凝った飾り付けでBMWと競い合っていたメルセデス・ベンツは、ミニバンを好む中国向けに「ビジョンV(ブイ)」なる電動ミニバンのコンセプトを初公開。いたるところが照明で輝いていたのは、まさに中国好みだ。

メルセデス・ベンツもBMWと同様に、ドイツ以外では最大の開発拠点を中国に置く。
同時にメルセデス・ベンツでは、将来の技術をアピールにするのにも余念がなかった。先にふれたCLAは新しいOSを採用し、ソフトウェアを更新することで性能や機能が向上するSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)であることを強調していた。
CLAも大きなディスプレイを車内にそなえており、これも中国でクルマを売るための絶対要件。地図アプリはTikTokなどを運営する中国のテクノロジー企業、バイトダンスとの共同開発だ。
「これからの3年間で、20モデル以上の新エネルギー車(BEVやPHEV)を中国市場に導入します」というのはフォルクスワーゲン。オート上海には3台のコンセプトモデルを展示していた。
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