
事実上の経営破綻に直面していた中国の新興EVメーカー、哪吒汽車(ネタ、会社名は合衆新能源汽車)に新たな動きがあった。債権者による破産申し立てを裁判所が受理し、再建を目指す手続きが開始されたのだ。
6月13日、中国最高人民法院(最高裁判所に相当)が運営する倒産情報サイトで上述の情報が開示された。それによれば、上海の広告会社の禹形広告による破産申し立てを(合衆新能源汽車の本社登記地である)浙江省嘉興市の中級人民法院が受理し、破産管財人として同じく嘉興市の子城法律事務所が指名された。
禹形広告が哪吒汽車の破産を裁判所に申し立てたのは、1カ月前の5月中旬のことだった。財新記者の取材によれば、禹形広告は哪吒汽車からモーターショー用の印刷物の制作を受注して納品したが、契約通りに代金が支払われず、100万元(約2000万円)を超える未収金があるという。
新CEOの招聘計画も表明
注目すべきなのは前日の6月12日、哪吒汽車がタイ市場向けのSNS公式アカウントを通じて、中国語、英語、タイ語の3カ国語で声明を出したことだ。その中で同社は、裁判所の監督の下で政府の支援を受ける自主再建の手続きを開始したと述べていた。
哪吒汽車が中国ではなくタイで声明を出した意図は定かではない。同社は2022年にタイ市場への輸出を開始し、2023年11月には現地にEVの組み立て工場を稼働。中国国外で最も重要な市場に位置づけていた。
声明ではさらに、哪吒汽車が破産管財人と協力して中国内外の大手企業や投資家をスポンサーに募り、生産の再開、新型車の研究開発、海外市場の開拓などに投資すると説明。自動車業界のグローバル企業の経営経験者を新CEO(最高経営責任者)に招聘する計画も明らかにした。
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