モビリティショー「おもしろい」と言えるのか? ドイツIAAモビリティと比較した率直な印象

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次期GT-Rとも受け取れるコンセプトカーのハイパーフォースなどを展示した日産のブース(筆者撮影)
次期GT-Rとも受け取れるコンセプトカーのハイパーフォースなどを展示した日産のブース(筆者撮影)

ジャパンモビリティショー2023は、はたして「おもしろい」といえるのか――。

私にとっては、なかなか難しい質問だ。

東京モーターショーの第1回は、1954年。そのあと2019年まで46回開催されたあと、そこでいったん休止符。今回、名称変更して再スタートという形になったのはご承知のとおり。

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今回のショーは、従来のショーとは結構イメージが違う。もちろん、名称が変わるぐらいだからそれは当然なのだが、最大の理由はショー全体のテーマにあると思う。

「乗りたい未来を、探しにいこう!」というのが、2023年のショーのテーマ。2019年の第46回も「OPEN FUTURE」と、ちょっと現実ばなれしたテーマだったが、今回はより内容が空疎になった感がいなめない。

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「モビリティ化」はドイツに前例あり

ショーの名称に「モビリティ」を付けて衣替えをする手法は、ドイツの「IAA(国際自動車展示)モビリティ」とちょっと似ている。

このショーは、1897年にフランクフルトで開催されて以来、「ドイツ国際モーターショー(通称:フランクフルトモーターショー)」として、2019年までフランクフルトで大きな規模で開催されていたが、2021年からIAAモビリティへと名称変更されたうえ、開催場所がミュンヘンに移された。

「国際モビリティ見本市‐未来のモビリティのためのプラットフォーム」とされるIAAモビリティ2023のエントランス(筆者撮影)
「国際モビリティ見本市‐未来のモビリティのためのプラットフォーム」とされるIAAモビリティ2023のエントランス(筆者撮影)

2023年のIAAモビリティは、会場こそ、ジャパンモビリティショーが開催される東京ビッグサイトよりはるかに大きいものの、いまひとつ盛り上がらなかった。

“国際”とは銘打っているものの、出展したのはドイツと中国のメーカーばかり。スポーツカーなど、一般的な興味の対象となる展示に欠いていた。

ジャパンモビリティショー2023も、同じ轍を踏んだ感がある。コンセプトカーのオンパレードで、どれも「全固体電池を積む前提です」としか説明されない。発売は“未定”で、リアリティが感じられない。

会場で私に、本音(?)を明かしてくれた日本メーカーの人もいた。

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