鴻海が主導する「EV連合」トップが語るEV化の肝 ソフトウェア主導のEVは競争より協力が重要だ

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MIHコンソーシアムは「ジャパンモビリティショー」に出展。3人乗りのコンセプトEV「プロジェクトX」などを発表した。車の横に立つのはMIHコンソーシアムCEOのジャック・チェン氏(撮影:尾形文繁)
MIHコンソーシアムはEMS(電子機器の受託生産)最大手、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が主導するEV(電気自動車)開発の企業連合だ。営利団体ではなく、EVの車体から車周りのサービスをパッケージとして提案することを目指している。10月末時点で74カ国の2714社以上が参画しており、日本企業ではニデックや村田製作所も名前を連ねている。
先頃開かれた「ジャパンモビリティショー」では3人乗りのコンセプトEV「プロジェクトX」を出展し、インドのテックマヒンドラが出資するMモビリティ社がMIHのプラットホームを採用することを発表した。日本市場向けには住友商事との協業や、商用車EVバン「プロジェクトY」で伊藤忠商事とメガサプライヤーの独ZFとの協業を発表している。ジャック・チェンCEOにコンソーシアムの現状や世界のEVシフトについて聞いた。

2年ほどで風向きが変わった

――2020年のコンソーシアム発足からこれまでをどのように評価していますか。

発足当初、多くの人から「自動車業界でアライアンスを作るのは難しいのでは」と言われた。というのも、自動車開発は自動車メーカー内で事が完結することが多く、コンソーシアムという形態を信用してもらえなかった。最初は山あり谷ありだった。

しかし、2年ほどすると風向きが変わった。参画企業が2000社以上になったのだ。多くの人が「ソフトウェアが主導するエコシステム」を作りたいと考えていると確信した。ただし、まだ成功しているとはいいがたい。

実車を製造して客先に納車し、エンドユーザーに満足してもらってはじめて成功といえる。われわれはまだ道半ばで、そのためには参画企業をまとめ上げて、よりよいEVのソリューションを作らなければならない。

――どういった課題が見えてきましたか。

2つある。まず、コンソーシアム内で参画企業が共同で働く場所をどう提供するか。同じサービスや商品を作るのでは競合してしまう。コンソーシアムでは競合するのではなく、それぞれの得意分野を生かして協力することが目的だ。

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