10月28日から一般公開が始まった、東京モーターショー改めジャパンモビリティショー(JMS)。
それに先駆けた25・26日のプレスデーを見ながら感じたのは、アメリカのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)やSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)の雰囲気を含ませようとしているのではないか、ということだ。
CESについては知っている人も多いだろう。毎年1月、ネバダ州ラスベガスで開催されるB2Bのエレクトロニクス展示会だ。近年はクルマも電脳化が進んでいることから出展が増えており、日本勢も2018年にトヨタ自動車が「e-Palette」、2020年にソニーが「VISION-S」などをお披露目してきた。
毎年3月にテキサス州オースティンで開催されるSXSWは、もともとは音楽や映画などエンターテインメントのイベントだったが、その後「インタラクティブ」をテーマにIT関連の新技術を披露する場にもなり、現在は多様な分野のクリエイターやスタートアップがプレゼンテーションやライブなどを行っている。
「モビリティ」という言葉を用いた背景
実はこの2つのイベントの来場者数は、欧米日のモーターショーよりはるかに少ない。にもかかわらず、毎年のようにホットな話題が数多く発信されるし、実際に取材に行ってみると、「ホントにそれだけ?」と言いたくなるほど賑わっている。
日本を含めた先進各国で、モーターショーの退潮が話題に上がる中、打開策の1つとしてCESやSXSWに目をつけるのは、自然なことだと思う。
しかしながら自動車業界は、老舗と言えるキャリアを持つ企業で固められており、スタートアップを集めようとしても難しいし、エンターテインメントとのコラボも違和感がある。そこでモビリティという言葉を起用したのではないだろうか。
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