CESやSXSWを目指し変貌を図る自動車ショーの姿 ジャパンモビリティショー2023が見せたもの

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主催者展示はライフ/エマージェンシー/プレイ/フードの4テーマで近未来のシーンを表現。ライフゾーンには、日本の自動車関連ショーではおそらく初となる鉄道車両、JR東日本が開発した燃料電池で走る試作車両が置かれていた。

フードゾーンでは、ロボットが料理を作ったり運んだりしていたのが印象的だ。モビリティというより、ロボットとカテゴライズしたほうが良さそうに思えたが、主催者としては鉄道車両を含めて、クルマの仲間であることをメッセージとしてアピールしたかったのだろう。

フードゾーンではUCCが水素を熱源に焙煎したコーヒーを振る舞うカフェなど、さまざまな企業が出展(筆者撮影)
フードゾーンではUCCが水素を熱源に焙煎したコーヒーを振る舞うカフェなど、さまざまな企業が出展(筆者撮影)

その奥にあるスタートアップのコーナーは、CESやSXSWを意識したものに映った。ただし、それは商談の場でもあるので、プレスデーはがらんとしていた。トークセッションの場である中央の吹き抜けも広場のまま。南展示棟1階の、水素エネルギーを使ったライブステージは設営中だった。

以前、訪れたCESのプレスデーは、プレス向けのセッションなどが用意されていた。JMSにもそういうプログラムがあれば、メディアを通して名称変更の理由や東京モーターショーとの違いなどを、多くの人に伝えられたのではないだろうか。

筆者の注目は原付4輪の「クロスケ」

西展示棟4階のサプライヤーのゾーンは、東京モーターショー時代からのお馴染みの顔ぶれが多かったが、スモールモビリティなどの展示も多く、これまで以上に面白い場になっていた。メーカーよりも、電動化の流れを切実に考えていることが伝わってくる。

筆者の心に特に刺さったのは、東7ホールにも展示されていた原付4輪登録のデリバリーカー「クロスケ」だ。

クロスケはデザインにも注目したい(筆者撮影)
クロスケはデザインにも注目したい(筆者撮影)

超小型EV技術研究組合(METAx)が、シトロエン「アミ」にも使われたヴァレオのモーターを用い、トノックスに車体架装を依頼して完成させたもので、近場の配送業務に便利そうだった。

南展示棟4階はキッザニアやトミカ、スーパーカー、東京オートサロンなどのコーナー。

トミカのブースはおなじみの製品パッケージ「赤箱」がモチーフ(筆者撮影)
トミカのブースはおなじみの製品パッケージ「赤箱」がモチーフ(筆者撮影)

いずれも2019年の東京モーターショーで話題になったスペースであり、4年前と似た雰囲気だった。子どもも楽しめそうな場で、家族連れにとって重宝しそうだ。

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