
株主総会直前に現れた「第2の買収者」は、救世主になるのか。
航空機への動力供給や空港内の特殊設備の保守・整備を行うエージーピー(AGP)は6月20日、オーストラリアの金融大手マッコーリー・グループ傘下の投資ファンドから公開買い付け(TOB)の提案書を受け取ったと発表した。
受領したのは19日で、TOB価格は1株当たり2015円だという。AGPは提案について取締役会で正式に検討することを決めた。
「当社株主の皆様にとって、総会を前に十分な情報に基づく判断を行っていただく上で極めて重要な動き」。法的拘束力を有する正式な提案ではないにもかかわらず、公表した理由をAGPはそう説明した。
マッコーリーが大株主に食い込む?
AGPの定時株主総会は6月26日に迫っている。そこではAGPの非公開化を目指す日本航空(JAL)の株主提案が諮られる。
株主提案はAGP株約123万株を1株に併合するというもの。大株主であるJAL、ANAホールディングス(HD)、日本空港ビルデング以外の株主の持分を1株未満とし、AGPが併合前の株数に応じて1株当たり1550円で強制的に買い取る。
ANA、日本空港ビルともにJALの提案に賛成する意向で、3社合わせた議決権比率が73%に及ぶことから可決が確実視されている。
株主を大株主のみにし、AGPを上場廃止したうえで、JAL主導の経営を実現する――。そうしたJALの思惑が今回のTOB提案でくじかれるかもしれない。
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