
6月26日まで徹底抗戦――。株式の非公開化を迫る日本航空(JAL)と抵抗するエージーピー(AGP)の対立がヤマ場を迎えている。
AGPは航空機への動力供給や手荷物運搬器具といった空港内にある特殊設備の保守・整備などを行う東証スタンダード上場企業。6月26日に開かれるAGPの定時株主総会を前に、筆頭株主であるJALが株主提案を行った。狙いはAGPの非公開化だ。
そのために株式併合を実施させる。株主をJAL(今年3月末時点での保有比率29.59%)、日本空港ビルデング(同23.79%)、ANAホールディングス(同17.76%)の3社のみとし、1株未満の端数となる株主の保有株は併合前の株数に応じて1株当たり1550円でAGPに買い取らせる。
よもやの株式併合提案だった
AGPの取締役会はJALの株主提案に反対を表明している。主張の骨子は次のようになる。
顧客でもあるJALやANAなどの特定株主のみに支配される状態は、公共インフラを担う企業としての中立性を損なう。株式公開買い付け(TOB)を経ないまま株式併合することは少数株主の意思を尊重していない。1550円の買い取り額も、AGP算定の価格より安く、少数株主に不利益を与える――。
さらに、AGPが問題視するのはプロセスの不透明性だ。
「併合提案が来るとは思っていなかった。よもやという感じだった」。AGP社外取締役で特別委員会委員長の阿南剛氏(弁護士)は、東洋経済の取材にそう振り返った。
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