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ワコムに突きつけられた株主提案。英ファンドが提案する新社外取締役候補を直撃。ワコムの取締役会に足りないものは?

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ペンタブレットの世界的大手、ワコムはイギリスのファンドから株主提案を受けている(記者撮影)
電子ペンとタブレットを組み合わせたペンタブレットで世界シェアトップクラスのワコムが株主提案を受けている。提案したイギリスのファンドから社外取締役の候補者として指名を受けたのが槙野尚氏だ。
証券アナリストを経て、現在はアメリカの運用会社でパートナー兼調査責任者を務めている槙野氏に、候補者となった経緯や業績低迷に関する見解を聞いた。

「いい会社だけど高いな」と思っていた

――社外取締役候補となる前段階で、提案株主のAVIとはどのようなやりとりがあったのですか。

(AVIから)大量保有報告書が出ている中で、社外取締役の候補を探しているという話を直接いただいた。少し時間をもらって会社のことを調べてみて、特に数字のところで取締役会の議論を深めていくということについて、自分でも貢献できそうだと考えた。

選任された場合には、まず(会社の)中の人に数字をもらって、それらを検証しつつ、他の取締役にも共有して、チームとして数字に関する理解度や解像度を高めていきたい。そうすることで現状を把握し、業績が低下した原因を探っていきたい。

そして、開示についても見直し、より多くの投資家やアナリストの方に業績をフォローしてもらえるようにしたい。資本市場との対話についても、より実りあるものにしていきたい。

――自身が運用マネージャーを務めているカナメ・キャピタルとしてもワコム株を保有しているそうですね。

われわれも株式を保有している。もともとアセットライトで、マルチプル(PER=株価収益率やPBR=株価純資産倍率など株式価値を表す指標)の倍率も高い会社であり、「いい会社だけど(株価は)高いな」と思っていた。

そこに自社ブランド事業の苦戦があり、足元の株価はかなり安くなっている。われわれの基準にも合うようになったので保有に至った。

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