
東京電力系の電力機器メーカーで、東京証券取引所プライム市場に上場する東光高岳の過去の取締役らを相手取り、アクティビスト(物言う株主)が株主代表訴訟を起こしたことが東洋経済の取材でわかった。
このアクティビストは、スタンダード上場の中堅ゼネコン、ナカノフドー建設の取締役らに対しても代表訴訟を起こしている。
過去に発覚していた不正を隠し続けた疑い
東光高岳は、スマートメーター(通信機能を備えた電力メーター)をはじめとする計量事業と、受変電・配電用機器や監視制御システムなどの電力機器事業が主力で、2025年3月期の売上高は1066億円。東京電力系で1918年設立の高岳製作所と、同じく東電系で1923年設立の東光電気が2012年に経営統合して発足した名門企業だ。
そんな東光高岳は、2023年12月、変成器や特別高圧変圧器類の試験において取引先が要求する仕様とは異なる要領で実施し、試験成績書にも不適切な記載を行うなどの不正が発覚。一部納入先から入札停止措置を受けたことによる受注減や、既納品の点検などで入札停止以外の費用も発生し、売上高で40億円、営業利益で20億円の影響が出るとした。
ところがだ。東光高岳が設置した調査・検証委員会で、とんでもないことが明らかになる。
こうした不正が実は2017年度にすでに発覚しており、一部の役員に報告されていたにもかかわらず、改善が図られていなかったばかりか、顧客に対する説明などもなされていなかったというのだ。委員会は、「全体として不合理なものであった」としたうえで、取締役らの対応について「善管注意義務違反に当たる」と認定した。
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