
門田泰人/もんでん・やすと 1975年生まれ。2000年UBSウォーバーグ証券(現UBS証券)入社。ドイツ証券やローン・スター・ジャパン・アクイジッションズなどを経て、2022年よりスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ最高投資責任者。6月24日に開催された東京コスモス電機の株主総会で、自身を含む取締役選任議案が可決。同日、代表取締役社長に就任(編集部撮影)
東証スタンダード市場に上場する東京コスモス電機が6月に開催した株主総会で、会社側が提案した取締役選任議案が全員否決される異例の事態が発生した。代わりにアクティビスト(モノ言う株主)であるスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ(SAFS)などによる株主提案が可決され、取締役8名が送り込まれた(詳細はこちら)。
新社長に就任したのは、SAFSの門田泰人最高投資責任者(CIO)。リターンを求める株式運用を超えて、なぜ投資先企業の経営権を握るに至ったのか。そして東京コスモス電機の経営をどのように率いるのか。門田氏を直撃した。
「明るい未来を見せてください」
――株主総会を経て、経営陣が丸ごと入れ替わる事態となりました。社内の反応は。
非常に協力的だ。新経営陣への期待も感じている。労働組合の委員長からは「私たちに明るい未来を見せてください」と声をかけられた。
従業員に対しては、まず経営陣が交代した背景を申し上げた。前経営陣は、会社の利益が5年間伸びない経営をしていた。株主(SAFS)としてはさすがに耐えられず、新しい人に経営を任せるべきと考えていた。だが自ら退かなかったので、このような(株主総会によって経営陣が交代する)事態になった。
そして、「東京コスモス電機という会社のポテンシャルはこんなものではない。新たな経営陣の下、成長する事業計画を作れると信じている。皆さんも協力してほしい」と伝えた。本当にできるのか、という懸念もあるだろうが、「もしかしたらやってくれるかもしれない」という期待もあると思う。いろいろな施策を矢継ぎ早に進めているところだ。

トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら