無風と目された総会で、株主提案が予想外の賛同を集めた場面も。
わが社の株主総会は今年も無風だろう──。そう決めつけていると痛い目をみるかもしれない。会社有利と思われた総会で、アクティビスト(物言う株主)からの提案に予想以上の賛成票が集まったからだ。
3月に開かれた、江崎グリコの総会。米アクティビスト、ダルトン・インベストメンツが複数の株主提案を行っていた。容易にあしらわれるかと思いきやふたを開けてみると、定款変更を求める第6号議案の賛成率が42.9%と高水準に上った(上写真)。
グリコの定款では、剰余金の配当などは取締役会で決議することになっており、株主総会でその是非を問えない。そこでダルトンは、定款を改め総会で決議できるようにする株主提案を行った。
“与党”とされていた安定株主
同様の定款変更を求める株主提案は、2015年のみずほフィナンシャルグループ(FG)の総会でも提出された。このときも賛成率は41%に達したが、グリコの場合は大株主に創業家や事業会社、金融機関などが名を連ねる。にもかかわらず高水準の賛同を集めたことは、“与党”とされていた安定株主の心変わりを示している。
では、誰が賛成に回ったのか。
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