有料会員限定

ブラザーが仕掛けた"ローランドDG買収"の舞台裏 テレビ東京の経済番組WBSでネガキャン?

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

ローランドDGがPR会社を積極活用し、ブラザーの提案を阻止した。

ブラザー工業本社外観
保守的で知られるブラザーが、同意なき買収に手を出した(撮影:大澤 誠)

特集「仁義なき企業買収」の他の記事を読む

経営陣の同意を得ないままTOB(株式公開買い付け)などを行う「同意なき買収」が急増。現場では、かつての“乗っ取り”を彷彿とさせるような、血で血を洗う壮絶な闘いが繰り広げられている。『週刊東洋経済』6月29日号の第1特集は「仁義なき企業買収」だ。
週刊東洋経済 2024年6/29号(仁義なき企業買収)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年6/29号(仁義なき企業買収)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

4月30日、テレビ東京の経済情報番組「ワールドビジネスサテライト」に、産業印刷機中堅のローランド ディー.ジー.(DG)の田部耕平社長が出演した。

番組では、インクが均一に塗られておらず、仕上がりが美しくない印刷物の映像が流れた後、印刷機の中核部品である「インクジェットヘッドでブラザー工業は他社と比べて不良品率が高い」とのナレーションが入った。

番組は、映像の印刷不良がブラザー製インクジェットヘッドによるものとは言っていない。また、技術者から見れば印刷の不良はインクジェットヘッドの性能とは関係がないことが明白だった。だが前後の文脈から、ブラザー製品を使うと美しく印刷されないかのような印象を視聴者に抱かせてしまう構成となっていた。

案件の真っ最中に放映

この映像を見たブラザーは、大きなショックを受ける。「自分たちのものづくりを全否定された」と感じた社員も少なくなかった。

実はこの番組、「同意なき買収」案件の真っ最中に放映されたものだった。簡単に経緯を振り返っておこう。

関連記事
トピックボードAD
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
仁義なき企業買収
ルール変更で市場が激変!仁義なき企業買収
「同意なき買収」が急増、血で血を洗う闘いに
第一生命HD、ベネワン、ニデック、SBI…
テレビ東京の経済番組WBSでネガキャン?
メガバンク系証券は極めて慎重な姿勢だった
TAKISAWA、イオン&ツルハHD&オアシス…
伊藤忠&デサント、ニトリ&島忠、SBI&新生銀…
ファミリーマートのTOBでは訴訟沙汰に発展
なぜ与党株主は物言う株主に賛成したのか
わかもと製薬、東洋水産、八十二銀行…
フクダ電子の賃上げ提案、NC HDの増配提案
ネガティブキャンペーンは一線を越えていた
物流業界やメーカーで狙われるのはここだ
【総合100】【低PBR50】【余剰資金50】
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内