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ブラザーが仕掛けた"ローランドDG買収"の舞台裏 テレビ東京の経済番組WBSでネガキャン?

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ローランドDGがPR会社を積極活用し、ブラザーの提案を阻止した。

ブラザー工業本社外観
保守的で知られるブラザーが、同意なき買収に手を出した(撮影:大澤 誠)

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経営陣の同意を得ないままTOB(株式公開買い付け)などを行う「同意なき買収」が急増。現場では、かつての“乗っ取り”を彷彿とさせるような、血で血を洗う壮絶な闘いが繰り広げられている。『週刊東洋経済』6月29日号の第1特集は「仁義なき企業買収」だ。
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4月30日、テレビ東京の経済情報番組「ワールドビジネスサテライト」に、産業印刷機中堅のローランド ディー.ジー.(DG)の田部耕平社長が出演した。

番組では、インクが均一に塗られておらず、仕上がりが美しくない印刷物の映像が流れた後、印刷機の中核部品である「インクジェットヘッドでブラザー工業は他社と比べて不良品率が高い」とのナレーションが入った。

番組は、映像の印刷不良がブラザー製インクジェットヘッドによるものとは言っていない。また、技術者から見れば印刷の不良はインクジェットヘッドの性能とは関係がないことが明白だった。だが前後の文脈から、ブラザー製品を使うと美しく印刷されないかのような印象を視聴者に抱かせてしまう構成となっていた。

案件の真っ最中に放映

この映像を見たブラザーは、大きなショックを受ける。「自分たちのものづくりを全否定された」と感じた社員も少なくなかった。

実はこの番組、「同意なき買収」案件の真っ最中に放映されたものだった。簡単に経緯を振り返っておこう。

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