信託銀を中心に、平時のアクティビスト対策が整備されつつある。
『週刊東洋経済』11月11日号では「アクティビスト全解明」を特集。アクティビスト本人への直撃を通じて、高配当・自己株買い一本やりから対話重視へと変貌を遂げるアクティビストの今をお届けする。
「アクティビストから面談要請が来てしまった」
三菱UFJ信託銀行株主戦略コンサルティング室の牛田明上級調査役の元には、事業会社からの相談が相次ぐ。連絡を受けたのは6月の株主総会直前ではない。
「数年前までは、総会シーズンの6月を過ぎれば『閑散期』だった。最近では7、8月もアクティビスト対応の相談が多い」(牛田氏)。翌年の総会に向け、すでにアクティビストは「仕込み」を始めているのだ。
6月総会企業のケースで逆算してみよう。一般に、株主提案は総会開催日の8週間前までに行う必要がある。株主提案権の行使は、そのさらに6カ月前から株式を保有することが条件だ。狙いを定めた会社の株式は、遅くとも前年10月には取得しておく必要がある。
夏場から投資先を吟味
10月は中間決算発表を控え、企業によっては情報漏洩防止の観点から面談に応じない「サイレント期間」に入る。そのためアクティビストは、夏場から投資先を吟味している。今夏も複数の会社が、村上系ファンドやオアシス、ダルトンなど「こわもて系」の投資家たちから面談要請を受けたようだ。
アクティビスト対応は総会が近づいてからでいい──。そんな考えでは足をすくわれる。今や、平時の対応が物を言うのだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら