【薄氷の勝利】ツルハ株主総会でウエルシアとの統合議案がギリギリの可決、反対を主張した海外ファンド・オービスは次の一手を示唆

約1カ月半にわたる大株主との対立は、会社側の主張が通る形で幕を閉じた。
ドラッグストア大手のツルハホールディングス(以下、ツルハ)は5月26日、札幌市内のホテル「グランドメルキュール札幌大通公園」で定時株主総会を開いた。午前10時に始まった総会は午前11時13分に終了。出席者は116人で、6人の株主から合計7問の質問を受けた。取締役選任など全5議案が可決された。
ウエルシアとの統合議案はギリギリ可決
今回の議案で最も注目を集めていたのが、業界1位の売り上げを誇るウエルシアホールディングス(以下、ウエルシア)との株式交換による経営統合議案だ。
4月11日、ツルハとウエルシア、そしてウエルシアの親会社であるイオンの3社が今後の経営統合の見通しについて発表した。詳細としては、ツルハが2025年12月1日までに株式交換などを通じて、ウエルシアを完全子会社化。その後、イオンがツルハに対して公開買い付け(TOB)を行い、議決権ベースで株式の50.9%を取得。2026年1月までにツルハをイオンの子会社とするというものだ。
経営統合が実現すれば、売上高で業界3位のマツキヨココカラ&カンパニー(以下、マツキヨココカラ)を大きく突き放し、国内ドラッグストア市場の約2割を手中に収める巨大企業が誕生する。
その実現に向け今回の総会でツルハは、ウエルシアとの株主交換による経営統合案について出席株主の3分の2以上の賛成を得る必要があった。結果は72.29%の賛成で可決、会社側にとってはぎりぎりの勝利だった。
ここまで接戦になった背景にあったのが、海外の投資ファンド、オービス・インベストメンツ(以下、オービス)の存在だ。
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