スズキ、軽EVの難題「価格」をどう乗り越えるか コンセプトカーの航続距離は競合より長く設定

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スズキの軽自動車のEVのコンセプトカー。適度な航続距離と価格を両立できるかが課題になる(記者撮影)

11月5日まで東京都江東区で開かれている「ジャパンモビリティショー」で、スズキの軽自動車タイプのEV(以下、軽EV)のコンセプトカー「eWX」が初お目見えした。

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窓枠やサイドミラーが蛍光色に縁取られたデザインで「ハスラー」のような遊び心を感じさせる一方、全体的にすっきりしたフォルムで「ワゴンR」のようなシンプルな印象だ。

10月25日にあった記者発表で鈴木俊宏社長は、「軽自動車(以下、軽)のお客様にとって、直感的に使いやすく操作が分かりやすいことが大切だ。それを追求している」と語った。

もっとも、スズキが軽EVを投入する時期は2025年以降の見通しで、少し先になる。今時点で設計が固まっているわけではなく、今回のコンセプトカーは文字通り現時点でのイメージに過ぎない。

航続距離はサクラより長い230キロメートル

その意味では、軽EVで先行する日産自動車の「サクラ」や三菱自動車の「eKクロス EV」と細かく比較する意味はない。それでも目を引くのは、参考値ながらも示された230キロメートルという航続距離だ。この数値は現在市販されているサクラとekクロスEVより50キロメートル長い。

eWXの開発担当者は「軽のお客様が生活の足として普段使う分には航続距離は20~30キロメートルで十分。ただ、時には隣町の病院にまで行くといったケースも想定される。ちょっとした遠出や、もしもの時の移動に安心して使ってもらえる距離はどれくらいかを考えて設定した」と説明する。

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