自動運転「日本出遅れ論」は間違い?進む「自動運転2.0」への進化の実態

✎ 1〜 ✎ 73 ✎ 74 ✎ 75 ✎ 76
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
いすゞが7月末、同社藤沢工場で初公開した次世代自動運転大型トラック。 アメリカのIT系スタートアップらとの連携を強化した自動運転2.0仕様(筆者撮影)
いすゞが7月末、同社藤沢工場で初公開した次世代自動運転大型トラック。 アメリカのIT系スタートアップらとの連携を強化した自動運転2.0仕様(筆者撮影)

いま、自動運転が「自動運転2.0」へと変化しようとしている。

なぜ、このタイミングで移行するのか。自動運転にかかわるさまざまな現場をめぐりながら、自動運転2.0の必要性について考えた。

オランダ「TomTom」とアメリカ「Applied Intuition」

7月上旬、都内で2件の記者会見があった。

午前中に開かれたのは、オランダ・アムステルダムに本社を置く、地図情報関連サービス大手「TomTom(トムトム)」によるもの。

7000万km以上の路上をマッピングし、数十億のデータポイントを30秒毎に処理するなど、交通やナビゲーション情報を取得し、2024年から「Orbis Maps」を展開している。

実際にデモンストレーションを見ると、走行する自動車から得たデータ、行政機関や交通事業者のオープンデータなどを融合した、次世代情報プラットフォームとの印象だ。

そのうえで、TomTomの共同設立者で最高経営責任者(CEO)のハロルド・ゴダイン氏は、「近年、自動運転用の地図に必要な要件が大きく変わった」と指摘する。

事業説明をするTomTomのハロルド・ゴダインCEO(筆者撮影)
事業説明をするTomTomのハロルド・ゴダインCEO(筆者撮影)

以前は、いわゆる高精度3次元地図として、5〜10cmの精度を求めたが、測量のコストが高いために高速道路や主要道路などに限定されていた。

それが近年、車両側での位置情報やカメラなどによる周囲情報の処理能力が高まったため、それを支援するような地図データが必要になったという。

これは一般的に「AI(人工知能)を用いた……」とか「SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)として……」といった表現が用いられる技術領域だといえよう。

TomTomの会見のあと、午後は創業8年目を迎えるアメリカのスタートアップ「Applied Intuition(アプライド インテュイション)」の事業説明会に出席した。

この記事の画像を見る(10枚)
次ページいま求められる自動運転、3つのポイント
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事