羽田空港で無人車両実験、人手不足の解消へ一歩 ANAとトヨタ共同開発の自動運転車両を公開

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トーイングトラクター
ANAと豊田自動織機が開発した自動運転対応のトーイングトラクター(筆者撮影)

国内で着実に進展を見せる完全自動運転技術が、今、空港の風景に変化をもたらそうとしている。

全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は、羽田空港で飛行機へ荷物を運搬する「トーイングトラクター」で自動運転レベル4の完全無人運転の実証実験を行った。

トーイングトラクターとは、空港で使用される特殊車両で、主にカートやコンテナを牽引するために使用される。通常、6つのカートを鉄道車両のように連結して運行し、効率的に大量の荷物や貨物を運搬する。

自動運転のレベル4は、「特定の条件下で人間が関与しない完全自動運転」を意味する。空港の制限エリアでの無人運転は全国初という。

自動運転トーイングトラクターの運用は7月1日から開始され、初めの2日間は監視者が乗車、その後の7月3日~19日にかけて完全無人で運行を行った。

【写真】人が運転するトーイングトラクターとの違いは? 自動運転対応のトラクターの外装や運転席など

背景に深刻な人手不足

コロナ禍が明けて以降、航空需要は急激に回復している。直近では政府が訪日外国人を2030年までに年間6000万人にする目標を掲げており、今後も発着便数の増加が見込まれる。

ここで課題となるのが飛行機の誘導や荷物の積み下ろしを行うスタッフの人手不足だ。ANAの森真希子氏は「1人の方が長時間働いていたり、なんとかやりくりしている状況」と現場の逼迫した状況を語る。

全日本空輸、オペレーションサポートセンター空港サポート室 グランドハンドリング企画部の森真希子氏(筆者撮影)
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