今年6月に都内で開催された、一般財団法人 運輸総合研究所主催「バス・タクシー・鉄道の自動運転シンポジウム」で、国土交通省 物流・自動車局関係者が示した資料がある。
これまでを自動運転1.0として、これからの自動運転2.0のポイントをまとめたものだ。

それによると、現状の自動運転は、時速20km以下で走る低速の小型カートや定時定路線型の小型バスが中心で、社会実装にあたっては各地域の走行環境などにあわせてローカライズする必要があるとしている。
つまり、地域固有のニーズを満たす、低廉かつ小回りの利く移動手段として社会実装が進んでいるというわけだ。
将来の見通しとしては、地域のニーズに沿った「日常の足の確保」である。
一方、自動運転2.0が目指す姿は、かなり違う。
国内自動車メーカーも本格参入し始める中、多様な走行環境で、より高速で走行可能な、技術力の高い車両を用いて、以下の3つを目指す。
将来に見通しについては、「大都市や地方中心都市等においても導入が進む」とされた。
日本の自動運転は遅れているのか?
このように、いま自動運転は1.0から2.0への移行期にある。そのため、自動運転1.0について、一部で“オワコン”というイメージを持たれているようだ。
2010年代後半から全国各地で自動運転実証実験が行われ、テレビやネットで大きく取り上げられた一方で、海外のような高精度化に向かう事案が少ないからだ。
また、「日本は自動運転で世界に大きく出遅れている」というイメージもあろう。

海外では、アメリカ・Google(親会社がアルファベット)から独立したWaymoが数兆円レベルの投資を行い、カリフォルニア州、ネバダ州、テキサス州などでドライバーレスのいわゆる“ロボットタクシー”をすでに走らせているからだ。
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