中国政府は自動車の加速性能を一定以下に抑える規制を導入する。一般的にエンジン車より加速能力の向上が容易なEV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド車)の性能競争が激化した結果、急加速による事故が増えていることに対応する。
中国政府は現在、国家安全基準「自動車安全運行技術条件」の改定作業を進めている。公安部が11月10日に発表した改定案によれば、乗用車は時速0-100km加速(停止状態から全力加速で時速100kmに達するまでの時間)を5秒以上とすることが義務付けられる。
電動化の進展により、加速性能を向上させるうえでの技術面・コスト面の障壁は大幅に低下した。回転数が上がらないと最大トルクを発揮できないエンジンに比べ、電動モーターは低回転時から最大トルクを発揮できるためだ。アメリカのEVメーカー、テスラの「モデル3」パフォーマンスの「0-100km」所要時間はわずか3.1秒だ。
「0-100km」3秒未満のクルマも
中国でも多くの自動車メーカーはテスラにならい、加速性能を重視する傾向を強めている。スマートフォン大手の小米(シャオミ)が投入したEV「SU7」や吉利汽車が展開するプレミアムEVブランド、Zeekr(ジーカー)の「001」などの人気モデルは、「0-100km」が3秒未満とポルシェやフェラーリの高級スポーツカー並みでありながら、販売希望価格は30万元(約650万円)を切っている。



















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