中国政府、自動車の加速性能規制導入へ。EVの性能競争に歯止め、ペダル踏み違えの警告機能搭載も義務付け

✎ 1〜 ✎ 362 ✎ 363 ✎ 364 ✎ 365
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

新たな安全基準の起草作業を担当する部署は、近年、EVやPHVなどモーター駆動車の発進加速時に制御不能となる事故が多発していると指摘する。これらのクルマでは発進時に「高加速モード」を選択できる機能がついており、このモードを使用する際に、運転者の準備が不足していたり、制御技術が不十分だったりすることが原因だ。

AVシステムの安全への影響も考慮、一定速度以上で自動的に画面がオフになる機能を義務付ける(ファーウェイが奇瑞汽車と共同で展開するEVブランド「智界」R7のコックピット)

新基準では、エンジンやモーターの始動時には低加速モードをデフォルトとし、高加速モードへの移行には運転者自身が設定を変更しなければ利用できないようにする。これにより、運転者は心身両面で運転準備を整える余裕を持てるという。

時速10km以上で映像再生などの停止義務付け

新基準では、加速性能規制以外にも、EVやPHVを対象にした新たな安全対策を複数導入する方針だ。例えば、バッテリー容量の大きいEVなどに付き物の充実したAVシステムについての対策だ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

運転者に与える悪影響を軽減するため、車速が時速10kmを超えた時点で、運転者用のディスプレイは自動的にオフになり、映像再生やゲーム機能は停止される設定をメーカーに義務付ける。

さらに、アクセルペダルの踏み間違えによる事故のリスクを軽減するため、新基準では誤操作時の加速抑制機能の搭載が義務化される。具体的には、停車時や徐行時に出力を検知し加速を抑制、また音声や光により運転者に明確な警告を発する仕組みだ。

(財新記者:翟少輝)
中国語原文の配信は11月13日

※本記事は原文を要約し、日本の読者向けに適宜補足したものです。
財新編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事