あの大学生はいまどう思っているだろう。
「お父さん、これだよ、乗りたいの!」と父親の手を引くようにして、私が乗っていた「RAV4」に駆け寄ってきた大学生。1994年に第1世代が登場したときだった。
2025年12月17日、ついに第6世代RAV4が国内発売を迎えた。プラグインを含めたハイブリッド(のみ)のパワートレインや、「Arene(アリーン)」というユーザーインターフェースの採用など話題性に富んでいる。
このクルマを見たとき、私はすぐ、31年前のRAV4に目を輝かせた大学生のことを思い出した。
思えば遠くへきたもんだ、という台詞があるが、RAV4はまさにそれ。
「Arene」搭載のソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)へ
新型RAV4には、ハイブリッド(HEV)と新開発のプラグインハイブリッドシステム搭載のPHEVがラインナップ。ガソリンエンジンのみのモデルはない。
「洗練されたデザインの『Z』、オフロードも楽しめる『Adventure』、走りに拘りぬいた『GR SPORT』」(トヨタのプレスリリース)の3モデルが用意される。
ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)として、車載OS「Arene」(アリーン)を初めて活用。
ADAS(先進運転支援システム)、ユーザーインタラクション(車内体験と車外環境の橋渡し)、コクピット(インフォテインメントシステムなど)の機能向上が図られた。
今回のRAV4は、音声対話サービス、センターディスプレイ、それに「トヨタ セーフティセンス」がAreneを前提に開発されている。
たとえば、会話型音声入力システムでは、「Android Auto」のように、自然な会話で入力が可能(になっているはず)。
「レスポンスは従来比で約3倍高速化され、話しかけてから約1秒で応答し、運転中でもより快適に、ナビやエアコンの操作が可能になりました」(トヨタのプレスリリース)
日進月歩という感じで進むメーカー間でのOSの性能競争で、しっかり存在感を示したい、というのが新型RAV4の大きなテーマだろう。
一方で、最新の技術で“武装”し、デザインも大胆に変わった第6世代のRAV4を見ていると、さきの大学生を感激させた第1世代の記憶がよみがえる。



















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