第1世代のインパクトはたいへん大きかった。
もっとも印象的だったのは、デザインだ。全長3.7mと短く、それでいて上背のある2ドアボディ。
短くて高いプロポーションを生かして、躍動感を持たせつつ、ボディ側面下部をクラディング(合成樹脂パネル)で覆ったデザイン処理は、どんなクルマにも似ていなかった。
トヨタが1970年代にカリフォルニアに設立したデザイン拠点「Calty Design Research, Inc.」(初代「エスティマ」もカルティ提案)の存在感が増したのが、90年代だった。
内容的にも、凝っていた。独自設計のシャシー、凝ったフルタイム4WDシステム、ぜいたくな材質を使ったサスペンションシステム、という具合。
「RAV4という名のスポーツ」の惹句(じゃっく)とともに、「トム・クルーズか?」という雰囲気で、木村拓哉がヘリコプターとチェイスするテレビコマーシャルも印象的だった。
この第1世代RAV4は、乗っているといたるところで強烈に注目された。
しかし、現実のマーケットニーズとのせめぎ合いで、審美性よりも機能性を優先せざるを得なかったのだろう。
95年にはホイールベースを延ばし、ドアを4枚にした「V(ファイブ)」を投入。Vには、2ドアの凝縮されたキュートさはなく、代わりに機能性がしっかりそなわった。
フルモデルチェンジを繰り返し、徐々にこの4ドアモデルが主流になっていく。
同時にRAV4は、アメリカで市場を形成することに成功。2013年登場の第4世代は日本で販売されなかったが、あちらでは好調な販売成績を維持し続けたようだ。
先代となる第5世代が日本でも多くのファンを生み出したことは、ご存じのとおり。
トヨタ最新のデザインに
新型RAV4は、「プリウス」にはじまり「クラウン」シリーズなどに採用されている「ハンマーヘッド」テーマのフロントマスクを持ち、ホイールハウスまわりはフェンダーなどが強烈にふくらんでいる。
「ランドクルーザー」シリーズにつながるトヨタ最新のSUVのデザインテーマでもって、広い層へのアピールを図っているのだろう。
価格はZが490万円で、Adventureは450万円。PHEVの「GR SPORT」(価格未発表)はやや遅れて登場するが、25年度内に発売予定だそう。



















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