日々、多くのヨーロッパ人がマイクロソフトのソフトウェアを使用し、アメリカ産の天然ガスで家を暖め、米国株を買い、多くのアメリカ人がドイツのソフトウェアを使って作業し、フランス産のワインを飲み、ヨーロッパ製の薬を服用している。
アメリカとEU(欧州連合)の間では、1日当たり54億ドル(約8300億円)相当のモノとサービスが取引され、そうした取引を支える広範な国際投資が何百万という雇用を支えている。
アメリカの大統領ドナルド・トランプは、グリーンランド売却を迫るために繰り出した、ヨーロッパのいくつかの国々に追加関税を課すという脅しを引っ込めたものの、この騒動によりヨーロッパの当局者は現実をはっきりと悟ることになった。
ヨーロッパを“弱者”と見なす米政権
ヨーロッパの当局者は、大西洋を越えて取引される膨大なモノ・サービス・投資の流れに注目し、アメリカに影響力を及ぼす「テコ」にしたい考えだ。EUの指導者たちは1月22日にブリュッセルで会議を開き、「今後に向けた擦り合わせ」を行うと表明した。
「ヨーロッパの指導者たちは、ここ数週間の出来事がなかったかのように振る舞うことはできない」。シンクタンクのヨーロッパ改革センターで副所長を務めるイアン・ボンドは、「これは大西洋をまたぐ(アメリカとヨーロッパとの)長年の関係の中で最も深刻な危機だったが、トランプがホワイトハウスにいる限り(危機が)これで終わることはない」と語る。
報復関税をはじめとする受け身の対抗措置を超えて、ヨーロッパを弱者と見なすアメリカの政権に対してヨーロッパ諸国が強さを示す方法とは何か。世界の経済秩序を無視し、他国を自分の思いどおりにできると考える予測不能なパートナーを思いとどまらせるには何が必要なのだろうか。


















