自動運転「日本出遅れ論」は間違い?進む「自動運転2.0」への進化の実態

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前出の「バス・タクシー・鉄道の自動運転シンポジウム」では、タイトルにあるような各種の交通事業者が自動運転について意見を述べた。

登壇した人たちからは「こうした機会はめずらしい」との指摘があったが、自動運転の将来性を示唆した良き機会という認識を筆者は持った。

一方で見方を変えると、社会全体で見た場合、自動運転は連携しておらず、ポテンシャルを発揮できていないといえよう。

鉄道+自動運転トラックでの物流

同シンポジウムとは別に、鉄道とトラック輸送が連携する事例がすでにある。JR貨物と、スタートアップのT2による「モーダルコンビネーション」実証だ。

そのデモンストレーションを、東京都荒川区南千住にあるJR貨物 隅田川駅で見た。

実証の経路は、札幌近郊から大阪市内まで。荷主が雪印メグミルクで、利用運送事業者は日本通運(日通)だ。

具体的には、札幌近郊で日通が集荷し、札幌貨物ターミナル駅に輸送。コンテナを積み替え、貨物列車の3056レで隅田川駅へ。

ここからT2のトラックにコンテナを載せ替えて、高速道路を自動運転レベル2で走行し、百済貨物ターミナル駅へ向かう。

JR貨物 隅田川駅でT2のトラックにコンテナを積載する様子(筆者撮影)
JR貨物 隅田川駅でT2のトラックにコンテナを積載する様子(筆者撮影)

駅から駅へは、T2トラックを含めてJR貨物としての輸送だ。そこから先、大阪市内は日通として配達する。

実施に向けて、鉄道とトラックの相互で利用可能なコンテナを新規に開発。実際にコンテナをT2の自動運転トラックに積み込む様子を今回、確認できた。

この実証の必要性について、JR貨物の幹部は「災害発生等の相互保管機能の強化」や「幹線輸送力の拡充とサービスメニューの拡大」などを指摘する。

また、将来構想として、貨物鉄道や自動運転トラック等を機動的に組み合わせた省人化や、BCP(事業継続計画)に強く、さらに環境にも配慮した次世代物流システムのイメージ図を示した。

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