24年ぶりの復活となった本田技研工業(ホンダ)のスペシャリティカー「プレリュード」が、まずまずのスタートを切った。
発売から約1カ月後の10月7日に公表された累計受注台数は、月間販売計画の約8倍となる約2400台にのぼる。
毎月、コンスタントに約1.5万台を販売する軽乗用車の「N-BOX」とは、比べるべくもない数字であるが、2ドア/3ドアのスポーツタイプに絞ると、もっとも数が出ているマツダ「ロードスター(RFを含む)」でも1000台に届かない。
デビュー直後で受注が集まったという見方もあるだろう。その点も否定はしないけれど、プロモーションが良くなければ、スタートから失速していた可能性もある。
「復活」が目的ではなかった開発の背景
筆者は発表前の事前説明会に参加し、9月4日の東京都内での発表会後には、短時間の試乗もできた。ついでに言えば、2代目は親と同居していた若いころ家にあり、何度も運転したことがある。
ここでは、そうした一連の経験をもとに新型プレリュードのデザインについて書いていくが、まず触れておきたいのは、当初はプレリュードを復活させようというプロジェクトではなかったことだ。
世界的に2ドアのスポーツモデルが少なくなり、ホンダでも「NSX」や「S660」が販売終了となる中、販売台数を気にせず、“操る喜び”が味わえるクルマを作らなければ、という気持ちから始まったという。
ただし、ハードなスポーツモデルとしては「シビック・タイプR」がすでにあり、尖ったモデルではなく、気持ちよさやときめきを感じるようなスポーツカーを目指したとのことだ。
そこで思いついたのが、大空を滑空するグライダーで、そこから「UNLIMITED GLIDE」というグランドコンセプトを決めていく過程で、プレリュードの名前を起用することになったという。
そのころは、テレビCMについてもグライダーのようなイメージで、新色のホワイトパールのクルマを紹介する予定だったと、発表会で関係者が教えてくれた。



















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