運転席はホールド性を重視して、サイドサポートの部分にワイヤーを入れて高くしているのに対し、助手席シートは乗り降りや乗り心地を大切にした結果、ふっかりした形状としたという。
かつてプレリュードは、「デートカー」と呼ばれたこともあるが、助手席へのこだわりは、その雰囲気を今に受け継いでいこうという、作り手の心配りを感じた。
後席は、身長170cmの筆者も座れるスペースを持つが、頭上がリアウインドウの真下にあり、横方向もタイトだ。
でも、これが2ドアや3ドアのクーペのよさであると、今もルノー「アヴァンタイム」という3ドアクーペに乗り続ける筆者は思う。
本来なら4~5人乗れるスペースなのに、ドアが2枚で、前席の2人を優先した空間を提供する。そんなパッケージングが、贅沢に思えるからだ。
とはいえ、そう考える人は欧米でも少数派になりつつあるようで、現在は5ドアで背の高いクーペSUVが幅を利かせており、対照的に2/3ドアのトラディショナルなクーペは数を減らしている。だからこそ、プレリュードが2枚ドアで復活したことは価値がある。
その後ろの荷室は、プレリュードとしては初めて、ハッチゲートでアクセスすることになった。開発時は剛性を取るか、機能を取るか、議論があったそうだが、多用途性にも配慮してハッチバックを選んだそうだ。
ホンダは「シビック」や「アコード」で早い時期からハッチバックを提案してきたブランドなので、個人的には違和感はない。
2代目プレリュードに通じる世界観
走りについても少し触れておくと、シビック・タイプRのそれを130mm縮めたプラットフォームとは思えないほど、快適性能と運動性能の高次元両立が印象的だった。
それでいてハイブリッドシステムに装備された「ホンダS+シフト」は、パドルを使わなくてもステップ変速を駆使した加減速を行い、気持ちを盛り上げてくれる。
上質な雰囲気の中で走りの歓びが味わえるキャラクターは、若き日に触れた2代目プレリュードに通じるものがあった。
この世界観はやはり、『地下室のメロディー』のBGMとともに始まる、あのCMを知っている世代にこそ響くのではないだろうか。
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