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〈独自〉ゴルフシャフト世界大手にアクティビストが書簡送付、狙われた理由は「いびつ」な事業構成

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製品ホームページ
ゴルフシャフトの世界大手「藤倉コンポジット」に、アクティビストが要求した内容とは(写真:同社の製品ホームページ)

東証プライム市場に上場する藤倉コンポジットが、アクティビスト(モノ言う株主)から経営改善を求める書簡を受領していたことがわかった。

送り主は、ひびき・パース・アドバイザーズ。10月、取締役会宛に企業価値向上施策を提言する書簡を送付していた。東洋経済の取材に対して、藤倉コンポジットの担当者は「個別の投資家に関しては回答を差し控える」とした。

隠れた稼ぎ頭

藤倉コンポジットは自動車や住宅設備などの産業用資材メーカーだ。救命胴衣などに用いられる引布(布とゴムを貼り合わせた複合材)も製造しており、2025年3月期の売上高413億円のうち、産業用資材と引布の2部門でおよそ3分の2を占める。

だが、ひびきパースが着目したのは、残りの3分の1であるスポーツ用品部門だった。実は藤倉コンポジットは、ゴルフクラブのグリップとヘッドをつなぐ部品であるゴルフシャフトの世界大手。著名ゴルファーの多くが愛用しており、25年に行われた4大大会(マスターズ、全米プロ、全米オープン、全英オープン)の優勝者は、全員が同社のシャフトを利用していた。

シャフトを含むスポーツ用品部門は、藤倉コンポジットの隠れた稼ぎ頭だ。売上高では祖業に及ばないものの、前期の部門営業利益54億円は全社の営業利益48億を凌駕する。これは産業用資材の営業利益がほぼトントン、引布に至っては赤字だったことに起因する。

11月10日に発表された26年3月期中間期決算でも、やはり営業利益のほぼすべてをスポーツ用品部門が稼いでいる。

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