「ゴッドファザー・オブ・GT-R」田村宏志氏に聞いた「フェアレディZ」との違い、そして次世代型の実現度

日産自動車が「GT-R」の生産を終了したと発表したのが2025年8月。「R35」とも呼ばれ、熱心なファンを生み出してきたGT-Rに、次世代はあるのか。
「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」
このコンセプトを具現化した新次元のマルチパフォーマンス・スーパーカー、というのが、日産によるGT-Rの説明だ。
生産終了の理由として、排ガス規制や騒音規制といった最新の規制をパスすることが難しくなったことが、取り沙汰されている。
「再び登場するでしょう」とはいうけれど
前身「スカイラインGT-R」から紐解くと、1969年の初代(PGC10/KPGC10型)にはじまり、大ヒットした1989年の3代目(BNR32型)を経て、GT-Rとなった今の6代目にいたるまでモデルチェンジを繰り返して進化してきた。
「GT-Rは進化し、再び登場するでしょう」とは、現行GT-Rの生産終了を知らせるプレスリリース内で紹介された、日産自動車のイバン・エスピノーサCEOの言。
それはどれだけ現実的なのだろう。
当初は水野和敏氏(現・プロジェクト・カーズ合同会社代表)が開発を統括したGT-R。企画を引き継ぎ、2013年からR35の企画責任者となり、ファンからは「ゴッドファザー・オブ・GT-R」などとも呼ばれるのが田村宏志氏だ。

「時間がかかるでしょうね」と、現在、日産自動車のブランドアンバサダーを務める田村氏は語る。
「GT-RとフェアレディZ、日産の2台のスポーツGTを比較すると、後者のモデルチェンジは比較的やりやすい。GT-Rは成り立ちが複雑なんです」
田村氏のいうGT-Rの成り立ちとは、長い歴史に根ざしたものでもある。
1969年の初代スカイラインGT-Rは、レーシングカーの6気筒エンジンをデチューン(出力を下げる)して搭載し、サスペンションには前後独立懸架方式を採用。モータースポーツで活躍した。
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