「ゴッドファザー・オブ・GT-R」田村宏志氏に聞いた「フェアレディZ」との違い、そして次世代型の実現度

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「スポーツカーの本質的な魅力を考えると、カッコいい、速い、いい音、に集約されます。また、どんな商品に仕立てるかは、ターゲットの購買層によって決まってきます。GT-Rは、その水準が高いんです」

2007年に発売されて以来18年間、生産と販売が継続されてきたR35 GT-R。感心させられたのは、毎年、年次改良が施されてきたことだ。

R35 GT-R 2025年モデル(写真:日産自動車)

「モデルイヤーごとの継続的な進化がGT-Rの特徴だった」と、日産はプレスリリースにしたためる。

「出力や操安性、快適性をはじめ、あらゆる性能を向上しました。最大出力は発売時の353kW(480ps)から、2017年モデル以降は419kW(570ps)にまで向上しました」

さらに、NISMOモデルの設定も大きな話題を呼んだ。

GT-R NISMOと田村氏(写真:日産自動車)

「2014年にはNISMOモデルを新たに設定し、GT3レースカー仕様のターボチャージャーや高精度・重量バランスの取れた部品(ピストンリング、コンロッド、クランクシャフト、フライホイール、クランクプーリー、バルブスプリング)を採用し、回転数の向上とターボのレスポンス向上を実現。最大出力は441kW(600ps)を達成しました」

最終型のラインナップは、「Pure edition(1444万3000円)」から「Track edition engineered by NISMO T-spec(2289万1000円)」まで6つのグレードで構成される。

さらに高性能チューニングをほどこしたGT-R NISMOが、3008万5000円からの2グレードで設定された。

フェラーリより少ない台数

いずれのグレードもクルマ好きを惹きつける高性能スペックスを持っていたが、スポーツカーファンにとっての悩みは、ごく少数しか販売されてこなかったことだ。

私は毎年なんらかのグレードに乗るチャンスに恵まれていたが、「今年のモデルはよりシャープだなぁ」などと感心している時点で、すでに売り切れという状態だった。

R35 GT-R最終生産車オフライン式の様子(写真:日産自動車)

なにしろ18年間での生産台数は、わずか4万8000台。2024年単年を例にとると、グローバルで1489台が生産されたのみ。うち日本のディーラーへの割り当ては、1157台。

フェラーリが年産1万5000台弱だから、GT-Rはかなり希少だ。路上で見かける機会は少ない。

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