「ゴッドファザー・オブ・GT-R」田村宏志氏に聞いた「フェアレディZ」との違い、そして次世代型の実現度

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仮にR36が誕生するなら、「EVやPHEVだろう」とか「やっぱりピュアエンジン車でないと」など、さまざまな意見(願望)がとびかっている。

そんな中、「もうひとつ、重要なことがあります」と田村氏はいう。

「クルマは1人で作れない、ということです。私は、GT-Rの企画を前任の水野和敏氏から引き継ぎました。たいへんな努力でもって開発にこぎつけたことはよく知っていて、功績は尊敬に値します」

後方に違うクルマが見えるようにGT-Rは混流生産ラインで作られた(写真:日産自動車)

クルマを作るために大事なのは、まず「開発への情熱」だと田村氏。

「クルマの開発には、サプライヤー(部品供給会社)さんと工場の協力が不可欠です。凝ったパーツを製造してくれて、それをうまく組み付けてくれる。設計とともに3者が噛み合わないといいものが作れません」

田村氏が例に挙げたのは、2000年追加のR34「VスペックⅡ」で採用された炭素樹脂のボンネットだ。当時、大きな話題を呼んだ凝ったパーツである。

R34 スカイラインGT-R Vspec II Nur(写真:日産自動車)

「でも、だからといって、後ろ向きに考えていてはいけないですね。大きなジャンプをするためには、まずしゃがむ必要があるというのと同じです。日産自動車の若いスタッフには、いますぐ(GT-Rの企画を通すの)は無理でも、力をためて企画を練って、次世代を挑戦してもらいたいと思っています」

現実になることを期待する

田村氏が将来的なGT-R復活に向け、後輩にエールを送る一方で、エスピノーサCEOは次のように発言している。

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「R35 GT-Rが生産を終了する一方で、日産はGT-Rの名を次世代に向けて再定義することに取り組んでいます」

日産はGT-Rを諦めたわけではないのだ。エスピノーサCEOの言葉が現実となることを、心から期待している。

【写真】伝説的GTカー「R35 GT-R」と「スカイラインGT-R」の軌跡
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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