
「レストモッドカー」という単語を耳にされた方は多いと思う。
レストモッドとは“Restoration and modification(modernization)”を意味し、旧車をレストア(=修復)し、それに何らかの改造を行った趣味性の高いクルマのことを称す。
クラシックカーを再構築する
少し古い“旧車”を走らせるのは、(現在の常識でいえば)なかなか骨が折れる。
たとえば筆者は、50年ほど前のスポーツカーを長年愛用しているが、巨大な4つのキャブレターの調整がうまくいかなければ調子が出ないのはもちろん、エンジンすらかからないこともある。
エアコンは、真夏になるとほとんど効かないし、ステアリングも、クラッチもとんでもなく重い。それに、クルマに乗って帰ってくると家人からは嫌がられる。体中に排ガスの香りを漂わせているからだ。

そんな面倒くさいクルマの「どこがいいのか」と思われるかもしれない。しかし、現代ではありえない低くシャープなフロントエンドや、低いボディの特徴的なスタイルはいつ見てもほれぼれとする。
キャブレターの持つ独特のレスポンスや、エグゾーストノートなどを堪能することができるから、欠点も許せてしまうのだ。
レストモッドとは、こうしたクラシックカーの欠点を減らしながらも、その魅力を極力失わないように再構築したものだ。
この考え方はかなり古くから存在し、法的に自由度が高く、スポーツカー文化が定着している北米では、エンジンのスワップ(載せ替え)などは昔から、ひとつの趣味として定着している。
より高性能で新しいエンジンを搭載したり、それにあわせてエアコンなど電装系をアップデートしたり、乗りやすさを追求するのだ。
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