真似できない「フェラーリ認定中古車」の仕組み 即納と価値向上を可能とした「お墨付き」制度
スーパーカーは今、世界的に需要が高まっていて、新車の購入が困難である。仮に売買契約がまとまったとしても、納車には年単位の時間がかかる。
それが価値を高めている反面、やっぱりすぐ乗りたいのが人情。そこでフェラーリは、「フェラーリ・アプルーブド」なるプログラムを導入している。スーパースポーツカーの販売戦略として興味深いので、ここで紹介しよう。
フェラーリ・アプルーブドとは、プリオウンド(かつてオーナーがいた)フェラーリの中から、メーカーが「販売に問題なし」と評価したうえで整備し、保証をつけた車両を販売するプログラムだ。いわゆる認定中古車だが、メーカーお墨付きの新車のようなクオリティを持つのが特徴とされる。
2024年7月にイタリア本国で発表された新しいプログラムでは、ハイブリッドの保証期間が延長された。これをきっかけに、改めて「フェラーリ・アプルーブドはどんなものだろうか」と、マラネロのフェラーリ本社を尋ね、201項目にわたるという点検・整備の様子やプログラムの根幹を取材した。
フェラーリの新車は“簡単”ではない
販売店に足を運び、試乗して、気に入ったら販売担当と商談に……というのが、一般的なクルマの買い方だろう。しかし、フェラーリはもう少し複雑だ。なにしろ“吊るし”のモデルが、ほぼ存在しない。
フェラーリの新車をオーダーするときは、ボディカラーからシートのステッチに至るまで、ほぼすべてがオプションなので、シート地からはじまってあらゆるものを選ぶことになる。人工スエードのアルカンターラだけをとっても、100種類にのぼるそうだ。
だから、場合によっては何度もディーラーに足を運ぶ。もちろん、そのあとに長い納期が待っている。それを無上の楽しみとする人もいれば、ちょっと煩雑だと敬遠する向きも。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら