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「トランプ関税」に揺れる自動車産業、マツダ主要サプライヤー・ダイキョーニシカワ社長が語る【車部品メーカーの生きる道】

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すぎやま・いくお/1987年3月マツダ入社。2018年3月マツダトヨタマニュファクチャリングUSA副社長、2023年4月常務執行役員を経て2024年4月ダイキョーニシカワ副社長、同年6月から現職(写真:ダイキョーニシカワ)(撮影)
アメリカのトランプ大統領による関税政策はいまだ決着が見られない。日本にとって影響が大きい自動車への追加関税は25%が課せられたままだ。自動車メーカーはもとより、幅広いサプライヤーも打撃は免れない。マツダ向け樹脂製部品を主力とするダイキョーニシカワの杉山郁男社長に、トランプ関税の対応策を聞いた。

強靭な経営体質を作るチャンス

――トランプ政権はアメリカに輸入される自動車に25%の追加関税を課しました。率直な感想は?

アメリカが約40年間続く貿易赤字を解消するために打った手だとは理解している。ただ、アメリカ国民の立場で考えると、今回の関税政策が得策なのかは疑問が残る。インフレが進んでいる中で車両価格が高くなれば、生活の利便性が損なわれる可能性もあり、今後もその点は注視しないといけない。

アメリカの大手自動車メーカーでさえ、自国だけで製造しているわけではなく、メキシコやカナダにも生産拠点を構えている。また、日本や韓国、中国からいろいろな部品を輸入している。そんな中で関税が掛かれば、アメリカの自動車産業自体も危機的な状況に陥る。

われわれは関税政策をネガティブには捉え過ぎずに、強靭な経営体質を作っていくためのチャンスだと考えている。これまでの仕事のやり方では生き残っていけず、すべてを一から見直すよい機会だ。今まで以上の危機感を持って立ち向かっていかなければならないし、アメリカの現地社員に対してもそう説明している。

――主要取引先であるマツダはアメリカへの輸出が多い割に現地生産比率が低く、追加関税のダメージの大きさが懸念されます。サプライヤーとしてはどのように対応しますか。

マツダは国内で年間70万台強を生産しているが、そのうち3割ほどを北米に輸出している。これはそれなりに大きな比率なので、今後の動向次第ではわれわれも当然影響を受ける。

なので、日本でもアメリカでもメキシコでも、いかに効率的に生産を行っていくのかが重要になる。固定費や経費を適正化していけるよう、いろいろな側面から検討を進めている。ケーススタディーをしながら、どこまで損益分岐点を下げられるのか、原価低減活動を加速していけるのかを考えている。

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