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【PBR1倍割れ脱却へ】欧米大手が苦しむ“EV化”、小規模・マツダはどう対応する?毛籠勝弘社長が明かす「ライトアセット戦略」の勝ち筋

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仮)マツダが2023年のジャパンモビリティショーに出展したコンセプトカー。電動化時代におけるマツダのブランド価値を象徴するモデル(写真:大澤誠)

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中国以外で電気自動車(EV)販売が減速する中、欧米の大手自動車メーカーではEV関連の損失を計上したり、戦略を見直したりする動きが相次いでいる。EV化に慎重だった日本勢は相対的に傷が浅いが、中長期的には電動化対応に迫られる。100万台規模しかないスモールプレイヤーであるマツダはどうするのか、毛籠勝弘社長に聞いた。

――マツダのPBR(株価純資産倍率)は0.3倍台で、解散価値の1倍を大きく下回ります。日系自動車メーカー9社の中で、経営危機の日産自動車の次に低い数字です。原因として、保護主義の影響(米国に「保護主義」の逆風、マツダが描く勝ち残り策​)があるほか、EV化対応を含む成長戦略への懸念があります。

昨年のROE(自己資本利益率)は10%を超えていて、資本の効率性はそれほど悪くない。課題はPER(株価収益率)であり、投資家の方々に「成長期待がいまひとつわからないよね」と思われていることが根本的な理由だ。成長戦略や経営のレジリエンシーを示すことが必要で、投資家との対話を強化しなければならない。

そうした観点から、3月18日に「ライトアセット戦略」を打ち出した。マツダのコアコンピテンシーがどこにあり、経営のレジリエンスを向上させるために何を磨いていくかを示し、株式市場に問いかけをした。今後、いろいろと助言をいただきながら、考えるところがあれば戦略のブラッシュアップをしていく。

既存資産を効率的に使い電動化に対応

――ライトアセット戦略とは何でしょう。

2022年11月に中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針を発表した。あの頃は世間的にEV一色で、われわれも電動化のフロントランナーになりたいと思い、電池を自前調達する前提で戦略を組んでいた。2030年まで1.5兆円の電動化投資を行う方針も示していた。

(2030年に向けた経営方針では)2022~2024年をフェーズ1として、それまでに培った「アセット」で売り上げを伸ばしつつ、この間に電動化の準備をする計画だった。2025~2027年はフェーズ2として(電動化の)実践に入る段階としていた。

3月18日の説明会で経営効率の改善を前提とし電動化へ備える「ライトアセット戦略」を打ち出した(編集部撮影)

ただ、その後に市場の実需を見るためにいろいろと精査をしていくと、電動化は時間軸が少し後ろ倒しになるという考え方になった。しかも、EVの普及はボラティリティ(変動率)も高いので戦略を変えたほうがいいよねということになった。

そこで、資産をできるだけ軽くして柔軟に電動化などに対応できるように、既存資産を効率的に使う「ライトアセット戦略」を打ち出した。この戦略なら、マツダの強みである開発や製造の効率性を生かすことができる。

難しかったのが電池投資の考え方だ。電池をオーバーキャパシティには絶対したくない。ただ、悩ましいのが、フェーズ2では電動化が進む市場もあれば、そうでない市場もあるということ。先行する市場には(長安汽車などの)パートナーと共同開発したEVで対応することにした。

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