ランボルギーニ成功裏にある「戦略のプレゼン」 繰り返し訴える明確なブランドメッセージ

✎ 1〜 ✎ 30 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 33
拡大
縮小
ランボルギーニ躍進の理由をステファン・ヴィンケルマンCEOに聞いた(写真:Lamborghini)

イタリアのハイパフォーマンスカーメーカーであるランボルギーニ、その2023年の業績が発表された。

年間の全世界販売台数は、好調であった昨年をさらに10%上回る1万112台。ついに念願の1万台超えを達成した。北米、ドイツ、中国(香港、マカオ含む)、英国に次いで日本も5位の販売台数を誇り、前年比でも21%アップと好調だ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

年間1万台といえば、たいしたことがないと思われるかもしれないが、ラインナップは下限でも3000万円レベルのラグジュアリーモデルであり、500万円程度のオプション追加は普通である。その高い利益率は、量産メーカーとは比較にならない。

現在、ランボルギーニはフォルクスワーゲングループの一員であるが、傘下となった1999年時点の年間販売台数はわずか264台であったから、隔世の感がある。

フォルクスワーゲングループからのリソースによって大きな改革が行われ、順調に販売台数を伸ばしていったが、2017年の時点ではまだ3815台であった。

この記事の画像を見る(10枚)

ターニングポイントは「ウルス」

実は、ランボルギーニにとっては2018年が、ひとつのターニングポイントの年であった。彼ら曰く“スーパーSUV”である「ウルス」がラインナップに加わったのだ。

ウルスの進化版であるウルスS(写真:Lamborghini)
ウルスの進化版であるウルスS(写真:Lamborghini)

V10エンジン搭載の「ウラカン」、フラッグシップであるV12エンジンの「アヴェンタドール」、そしてSUVのウルスという3本柱の体制となって、ランボルギーニの販売はブーストアップした。

ちなみに2023年は、ウルスが6087台、ウラカンが3962台、そしてアヴェンタドールが63台(最終モデル12台と限定モデル51台)デリバリーされている。

イタリアの同地域にあるブランドでランボルギーニのライバルと目されるフェラーリは、2023年の全世界販売台数を1万3336台と発表した。こちらも過去最高だ。

次ページなぜ、ランボルギーニはフェラーリに近づけたのか?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT